正義について考えたことはありますか?幼いころから道徳の授業を受けてみんなのために思いやりのある行動をするのが良いと教わってきました。社会人になりいろんな情報に触れていくことで何が正義で正解かわからなくなることがあります。良い行いとは何なのか知りたいと思っていた時に書店でたまたま見つけた1冊を紹介したいと思います。
これから「正義」の話をしよう いまを生き延びるための哲学 マイケル・サンデル
この本で学んだことを3つ紹介したいと思います。
みんな平等は正解か?
みんな平等であるべきだという道徳的な考えを誰しも聞いたことあるし、それが良いという人を見たことあるではないでしょうか。実際に幸せな人が増えるのにこしたことはないと思いますが、そうなるとたくさんの資産を持っている人は貧しい人達に分け与えるのが正義で善だという考えに行きつくと思います。では、一般的にお金持ちとされている人から資産を奪うのが正解かといわれるとその人達にも見えない努力があって奪ってよいものではないと著書の中では紹介されています。
正義を考えるときにみんなが平等になるべきだと考えがちですが、誰かの犠牲のもとに成り立つ平等や幸福は結局正義には相反しているのではないか?と改めて気づきを得ました。
実生活で活かせるとしたら
自分の職場では自分の仕事が終わったら、他の人の仕事を手伝うべきだという風潮があります。組織としてはみんなでみんなをカバーするという良い心がけかもしれません。しかし、自分犠牲をしてまで自分の時間を他人に使うのはいかがなものかとも感じます。得に日本ではみんなに合わせるという意識が強く、それが正義でよい行いだとみなされがちです。もし、他人のために自分を犠牲にすることがあれば、周りの影響からの行動でないのか、実際に自分の時間をどれだけ割くことができるのか一度考えてみるのが良いかもしれないです。
平等を意識すると、その人の年齢や力量などを考えて割り振る仕事の量が変わってきます。それが正しく効率的だと考えることもできますが、どこかで誰かの負担が増えているのも間違いないです。それぞれもっている力やお金が均等になるように物事を進めるときは誰かの負担が増えていることを意識してことを進めていくべきだと感じました。
自由とは何か?
リバタリアニズムという言葉が著書の中に登場します。簡単にいえば自分の人生やものは自分のもので何にも縛られるべきではないという考え方です。資本主義とマッチしており、経済も自由に発展させることが良いとするものです。しかし、自由が許されるとしても自分の命や体の一部を売りに出したり、犯罪スレスレの商売をしたりするのは道徳的に問題があるのはわかると思います。
また、戦場への志願者を募る場合、誰でも志願者はウェルカムという案内を出したとします。一見自由な選択を与えらえているようでも実際には志願兵には援助金が支払われており、結局志願するものは貧しいものが多かったりする事例もあります。自由な選択といっても実は偏った枠組みからの選出になっていることもあるということです。
正義を掲げる際に「自由」という言葉が使われますが、自由にも道徳的な問題や裏に潜む制限など正義と相反するものが隠れている可能性があります。
実生活で活かすとしたら?
自分の権利や時間は誰にも侵されないという考えは個人的には賛成だし、今の世の中にあっている考えだと思います。しかし、その行動でマイナス面がでるのはよくないと思います。具体的な例を出すと自分が家庭のお金のほとんどを出してるから何に使おうが買ってだとという人がいると思います。というかあるあるだと思います。しかし、家庭を運営していくなかで一人よがりな行動はマイナスでしかないのは明らかです。
自由と倫理的なバランスを一度考えることができる人が結局その自分の権利や時間をうまく使えるということなのかもしれません。
選択の基準は?
著書の中で大学試験での倫理的な問題が紹介されています。マイノリティーの文化圏の学生を取り入れるために、他の白人学生のテストの点数より劣っている場合でもその学生を採用するという事例があります。大学の多様性や様々な価値観を大学に取り入れるためにそういった処置をとっているというのが大学の主張です。一見正しい意見にも聞こえますが、試験というシステムにのっとればより優秀な学生に合格を通知するのがあるべき姿だともとらえられます。大学の指針が正義ならばマイノリティー文化圏の学生と合格されることが正となるのかもしれません。何を基準にするかによって正がかわってくるのが現実です。
他にもその大学の卒業生の子供が入学試験で優遇されるという事例も紹介されています。そういった事例では大学側への寄付金額が高い傾向があるということから、そういった事例が発生しています。この話だけ聞くと裏口入学みたいで印象がよくないですが、大学の設備が潤おえば研究の成果もあがり社会貢献につながるかもしれません。学術的な活動が重んじられる大学では、資産確保も立派な戦略となります。自分の価値観だけでも正義は危ういということがわかります。
実生活で活かすには
相手の倫理感を疑いたくなる場合は必ず相手の立場を顧みる必要があります。自分軸からの正義は以外と間違っている可能性もあるというのを念頭に生活するのが良いかと思います。
まとめ
正義は1つしかないようで、人の数だけあるというのがこの本を読んでわかりました。正義について具体的な例をだしながらさまざなな問いかけをしていれているよい本に出合えたと思います。興味のあるからはぜひ手に取ってみてください。