哲学を人生に活かす方法④

哲学者 哲学

「武器になる哲学」山口周から学んだ哲学用語について解説してきた。哲学から学ぶ①哲学から学ぶ②哲学から学ぶ③

 今回は思考法についての哲学用語を3点紹介していく。

イデア

イデアとは「想像上の理想形」のことだと著書の中では解説されている。イデアはプラトンの提唱した理論で、天界に存在するイデアを私達は知っているから物事を理解できるということらしい・・・難しいというか、現代人には馴染みのない感じ。著書の中ではとっつきにくいイデアの意味を分かりやすく解説してくれている。

 紙に三角形が印刷されたものを見た時、私達はそれが三角形だと理解することができる。しかし、実際にはどんなに精巧に印刷されていたとしても、何ミクロンの世界ではわずかに印刷がずれており、この世に完璧な三角形は存在しない。しかし、私達は三角形やこういうものであるという「イデア」をもっているからそれが三角形だと理解することができる。イデアを媒介して物事を理解・判断しているといことかな?

 少し難しい話になったが、こういった理想(イデア)をもとに考えて作ったその理想論をルールや制度は果たして実際にうまく機能しているのかという問題提起が人事制度を例に著書の中でされている。  

 人事制度を行うことによって、適切に社員を評価しさらなるレベルアップへとつなげるといような目的があると思う。しかし、私の職場でも人事評価の時期に提出する書類をあらかじめフォーマットで入力しておき、ほぼ毎年同じようなことを書いて提出している人もいる。会社の決まりで人事評価をただやっているところも意外とあるのかもしれない。

 助成金制度もイデアと現実の乖離がよくわかる例だ。私達を助けてくれるはずの助成金制度も申請手順や書類が膨大で手間がかかりすぎる。結局、助成金を受け取れない、書類を審査する側もパンクする、といった問題がある。このように理想論だけで採用された制度は実際のとこと役立ってない場合も少なからず存在する。

 制度を作成した際には、現場の声に耳を傾けてどういった問題が発生しているのかを整理すること、また、その制度にはメリット・デメリットが必ず存在するため、各方面での利害関係者に対して聞き取りを行っていくことでブラッシュアップしていけるはずだ。

 

ブリコラージュ

 何か目的を達成するために物事を考えて発明や、技術開発に勤しむ方々には本当に頭が上がらない。すごいことだと思う。しかし、そういった予定調和的なものに対して発明したものが意外な領域で活用されることがある。エジソンの発明した蓄音機は遺書の作成などを目的に発明されたもので、音楽業界の発展に寄与するとはエジソン本人は全く思っていなかったそうだ。

他にも著書のなかでは宇宙服の開発が病院内でのICUの技術に活かされていると紹介されている。こうった本来の目的意外に何か役に立ちそうなものに着目し、実際に使えるものにする能力のことを「ブリコラージュ」という言葉で紹介されている。この発明がどんなものに役立つかがわかっていた方が資金を調達できたり、人から賞賛されることが多いと思う。しかし、偉大な発明や生活を変えるアイデアはブリコラージュによって生まれるのかもしれない。

 ブリコラージュは自分たちの生活でも大いに活用できる。料理を作っているとき、あの調味料がないけど、これとこれを組み合わせたら風味も似てるし代用できるかも!という発想もブリコラージュの一つだといえる。今あるもので工夫して新しい使用方法を自分なりに編み出したりすると、生活が楽しくなるし、工夫することが癖になっていつか大きな自分の能力として強みになっているはずだ。

 ブリコラージュという考え、ぜひ覚えていてほしい。

 

未来予想

 未来予想をどの分野の専門家でも良くしているし、実際私達もある分野の専門家に今後の未来はどうなりますかと聞きがちだと思う。著書の中では未来予想に固執するのはナンセンスだと言っている。実際に未来を見据えることは大事なことだと思う。しかし、予想というものは外れるものだし、予想してた後自分が行動を起こすことの方が大事であり、行動を移すことにより未来を創っていくのが正解だ。

 私のしている仕事も確実にAIが参入してくる。仕事を取られるかもしれない。権威のある人の講演にを聞きこういった未来がまっているんだなと感心して終わりになっていたため、この未来は予想するのではなく、自分で創っていくという考えに胸を打たれた。確かにどうなるんだと不安感で悩むよりも自分で未来を創ってやるんだという考えのほうが絶対楽しい。この考えをぜひ、皆さんと共有したくて書かせてもらった。

 この記事を読んで未来のためのモチベーションにしてくれたらとても嬉しい。

まとめ

 イデアは物事の理想論として紹介しており、理想論を追い求めることによって現実とのギャップを生まれかねないと解説してきた。しかし、イデアは決して悪いものではなく、自分が新しいイデアを生み出していくことで現実を変えることもできるはずだ。また、そうやって生み出したアイデアをブリコラージュによって新しい価値あるものへと変化されていくこともできる。

 イデアやブリコラージュは未来の創造に必要不可欠なものである。未来を創っていくためにも、ぜひ「イデア」、「ブリコラージュ」を駆使していきたい。

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