あなたが職場でプレゼンしたり、上司へ報告したりするときにわかりずらいと言われたことがあるのではないだろうか。自分も言われたことがある。「話し方の戦略 千葉佳織 著」の内容を解説しつつ、自分なりの戦略も考えていきたいと思う。
まず、「話す」ための3原則を紹介してくれている。①目的を決める②相手の分析③話し言葉を意識
①話す前に目的を決めておくだけで、回り道することを回避することができるため、内容が端的になって伝わりやすくなる。
②話す相手の予備知識を意識できている人は少ないと思う。専門性の高い事象を説明する場合、こちらが理解しているものとして説明を省いたりしたものが、相手にとっては知らないことだったりする。相手が理解出来る例えを用いたりするとよい。相手が理解できないというのはこちらの責任であるということを意識すべきだと著書の中で語られている。
③話し言葉は形をもたない。端的にまとめてあげないと頭に入らない。また、その場の勢いに任せがちだが、話す内容も事前に準備することが大切である。
この原則の元、話す技術を磨いていく必要がある。3原則をもとにしてポイントを解説していこうと思う。
話は完結に
相手に何を伝えたいか的を絞って話すことの重要さが印象的であった。確かに自分自身相手に何か伝いようとしたとき、自分の言いたいことを詰め込みがちだ。しかし、相手に印象を持たれたい、重要な点は覚えてもらいときは言いたいことの中から1つ絞ってそれを軸に話を展開していくことが大切である。
伝えたいことを一つ決めることが出来たら、それを軸に話を展開していくのだが、話の構成の中で覚えておきたいポイントもいくつか仮説されている。
①比率
伝えたいことが一つ決まったら、前向きな方向にもっていきたいならポジティブな補助説明を6,7割持ってくる。シビアに現状の状態を伝えたいのなら指摘を6,7割持ってきて激励を込めた現実的な内容にするなどすると良い。
②順番
先に結末を持ってきてそのあと理由、事例、また最後に結末の強調といった形はよく使われる。こういった形も大変わかりやすいが、あえて結末を最後に持ってきて興味を引いたり、ネガティブな話題を先に持ってきて、最後に逆転劇を語るようなストーリ形式にもってくるなど、目的によって話の順番を構成することも大切である。
③結末
伝えたいことを絞って最後にまた伝えたいことを持ってくるとよいが、その最後に一緒に頑張りましょうなど、メッセージ性をもった言葉を付け加えると締めくくりに温かみが出て聞き手からの印象もよくなると解説されている。
ストーリーとデータの使い分け
相手に伝えたい内容を伝えるときに、自分の失敗や人生で学んだことをからめると相手により刺さる内容になる。自分の場合は継続力の重要さを伝える時、自分の大学時代の話をする。通学に往復3時間かかっていたが、毎日その時間を勉強に充てていた。大学は首席で卒業できた。通学時間を4年間有効に使えたからだと思う。しかし、実家暮らしで生活のサポートの十分すぎるほどうけていたので、親のおかげでもある。このように成功エピソードを伝えるときは運や感謝の気持ちも一緒に伝えると角が立たない。他にも、現在、過去、未来の時間軸を意識してエピソードを話すとより分かりやすく、相手を引き付けることが出来る。
エピソードを絡めるとよいと述べてきたが、客観的なデータも重要となる。過去のデータや現状の社会状況を伝えるデータなどを利用すると相手を引き付けることができる。具体的な数字を使うのもいいし、社会的な状況など抽象的なデータを使うと相手が自分ごとのようにとらえてくれるようになる。エピソードだけでなく、データを付け加えてあげるとよい。
孤独力を磨くと重要さを説明したいと思う。自分の職場でも飲み会などは今ほとんど開催されないし、仕事が終わったらそのまま家に直帰することがほとんどだ。(エピソード)夜は一人で自分に向き合う時間が多い。プライベートを職場を混同させない人が増えてきていると思う。晩婚化や独身を積極的に選択する人も増えてきている。(社会的状況)つまり、自分一人の時間を自分で楽しむ孤独力が必要になってきていると思う。確かに社会的な繋がりは健康を維持するうえでは重要だが、自分一人でも楽しんで、機嫌を取れるという状態が最高だと思う。
データにには数字を使用した具体的なものと社会的な状況などの抽象的なものもある。この二つを使い分けていくことも重要である。
他にも説得力を持たせためのテクニックとして偉人の名言を引用したり、第三者も同じことを言っていたと付け加えたりして、自分の意見のN数を増やしてあげるということも解説されている。
声のボリューム、間、姿勢、ジェスチャー
話し方の大切な要素として、声のボリュームや姿勢、ジェスチャーにも焦点をあてて解説してくれている。大前提として何かしらの効果を得たいと思って行う工夫は自分が思っている3倍程度大げさに意識してあげると効果を得られると解説されている。
声のボリューム
相手に自分の話をうまく伝えたいなら声のボリュームも大切で、意識的に大きめのボリュームを意識するとよい。自分が思っているよりもはっきり発生した方がよいと著書の中でも伝えれている。多少大げさにするぐらいが丁度よい。まず、声のボリュームを上げてみることから始めてみるとよいかも。
間
間は、相手の注意を引き付けたりすることで自分の話に引き込むことだ出来る。間を嫌う人がいるが、むしろうまく活用した方が良い。自分の伝えたい肝となる言葉を言う前に間を使うことで相手にその言葉に注目してもらえる。また、自分のリズムにも余裕が生まれて落ち着いた印象を与えることだ出来る。
「フィラー」:えー。あのー。など無意識のうちに発してしまう言葉をフィラーというが、間はフィラーを減らすのにも有効だ。
姿勢
話し方には姿勢も含まれる。背筋を伸ばしてリラックスするだけでも説得力が増し、自身があるように見える。実際に姿勢を正して複式呼吸を意識するだけでも気分が落ち着くし、ゆっくり話せる気がする。姿勢に加えて、話している最中に立ち位置を変えるのも有効だと紹介されている。話の展開に合わせて自分の立ち位置を変えるとより相手が集中して話を聞いてくれるようになる。
ジェスチャー
話しながらジェスチャーを加えるとより説得力が増すイメージが確かにある。強調したいところや注目してほしい場面では胸より高い位置で少し大げさにジェスチャーを加えてあげると相手に印象が残りやすい。前述した通り、自分が思っている以上に大げさにアクションを起こした方がより相手に伝わる。相手から変な風にみられるんじゃないかと怖がらずに強調したりとことは身振り手振り使って訴えかけた方が良い。
まとめ
話し方の技術を紹介してきた。相手によい印象を持ってもらったり、相手に自分を印象付けるにはちょっとした工夫が大切なんだと実感した。相手ベースに考えると色々なおべっかを使ったり変に気に入られようとしがちだが、どの内容もこちら側の能動的アクションで改善できる点であることが印象的であった。相手どうこうよりも自分の行動に注目して、戦略的な話し方を取ることによっていつの間にか相手によい印象を持たれているのがベストだと感じた。