晩婚化やライフワークバランスの考えが進んだ今、20代とはどういったものとして捉えられているだろうか。人生のボーナスステージのようなもので、仕事も恋愛も自由に気の赴くままに楽しむ方が良いという考えが浸透していっているのではないだろうか。
人生の中でも最も柔軟でどこへでもステップしていくことが可能な20代という時間を何も考えずに浪費している人が増えているのではないかと警報をならし、20代という貴重な時間を有意義に使いたいと思わせてくれる本にであった。「20代で人生は決まる」(メグ・ジェイ著小西敦子訳)。
自分自身20代ということもあり、この本を手に取った。この本で得に印象に残ったトピックは3点であった。①仕事との向き合い方②恋愛について③20代の脳について
①仕事について
自分は仕事に真摯に向き合っているつもりだが、AIの導入やSNSからの多職種の情報から今の仕事を続けていくことに漠然と不安があり、モチベーションが下がりつつあった。一つの職業に絞ることが時代遅れで取り残されているような感覚があった。
しかしこの本では人生を彩り、人生に自分の色を出していくには仕事だけではないということが書かれてあった。自分の趣味や好きなことを突き詰めていくことが自分の人生を良いものにしていくこと再認識することができた。その好きなことが仕事にも良い影響をあたえるかもしれない。変化の時代に今後もついていきたい。
②恋愛について
20代というと特に恋愛ではいろんな経験を積み遊ぶことが重要であるというような考えが一般的なような気がする。筆者もその考えを押したい派だが、30代になったとたん決まった相手がいないことに焦りを感じ、こんなはずじゃなかったと落ち込むパターンも正直よく見るのではないだろうか。
今の時代一人で生きていくことを選択しても何ら問題のないことで自分でその道を進む人は幸福な人生を歩めるだろうと思う。しかし将来的に結婚をしたいという人達の間で20代の恋愛を軽視しすぎではないかと警報を鳴らしてくれている。
30代で急に焦り出すぐらいなら20代のうちから地に足をつけて自分の価値感にそった誠実な人を見極めていきましょうよという話である。当たり前のような話ではあるが、晩婚化が進んでいっているいま20代のうちは楽しさだけに目が行きがちのなのかなと筆者も反省した。
③20代の脳について
脳は中心部から成熟していき、20代後半に脳は成熟する。30代以降に性格が変わらない要因といわれている。そして若い時はネガティブな情報に脳が反応しやすいという性質があるらしい。確かに学生時代はやたらネガティブな情報に引っ張られて幸福度は低かったように思う。
つまり20代は感情をコントロールし、ネガティブな物事に対する自分の反応を学ぶ最後の期間であるといえる。自分の機嫌は自分でとれるように今のうちに訓練していく時期であり、その努力が今後の人生を左右する。楽しいことだけで人生は成り立っていないとい現実を受け入れていく年20代なのかもしれない。
20代は確かに若く、何者にも化けられる可能性に満ちた時間であることは紛れもない事実だと思う。しかし、時間は確実に過ぎていき未来の自分を形作っていく時間でもある。20代とは本当に価値のある時間なのだと胸に刻むことができる一冊であった。この本を読むと自分の成長のために何かやりたくなる。おすすめの1冊であった。