失敗を科学する②

日常

 失敗を科学する①で失敗に対する認識をアップデートしていく方法を解説しました。今回は具体的に問題を解決していくためのテクニックや失敗という壁にぶつかったときに陥りがちな集団心理や個人レベルでの失敗に対する心持ちについても解説していく。

今回も記事も失敗の科学 マシューサイド著を参考にしている。是非一度手に取ってみてほしい。

①失敗の解決はスモールステップから

 発展途上国の学習支援効果を高めるために、英語の教科書を無料配布するという方法が著書の中で紹介されている。しかし、この方法は全く効果がなかった。どういった介入方法が発展途上国の学習効果の向上に寄与するのかを調べる必要がある。国という規模の対象群を用意するのは容易なことではない。

 そこで、対象グループを州ごとに分解し、介入方法も細かく分解して考えていった。その結果そもそも英語を読める学生が少ないため、教科書を配布しても意味がなかったこと。寄生虫などの感染症により登校率が減り学習機会が奪われていたことが発覚した。感染症対策を支援したことによって発展途上国の学習効果も向上していった。

 自分の生活に置き換えて、問題の細分化について考えてみた。本を読む時間を増やしたり、英語の勉強時間を増やしたいという問題がある。まず、時間の捻出を考える。

①仕事から帰ってきて気合いで勉強する方法を取ってみた→眠くて無理

②眠くて無理→仕事後以外の時間(スキマ時間)の活用、睡眠時間を延ばす

③仕事後以外の時間(スキマ時間)の活用、睡眠時間を延ばす→昼休憩で英語の短いニュースを読む 

                             無駄な残業はやめる

 こんな風に自分の達成したい目標までに出現する障害に対して問題を細分化して1つずつ解決方法を試していくと、確かに英語に触れる時間は増えたし、職場の目を気にせずやることをやったら帰るという意識がでてきた。

 最近の課題としてはどうしても残業で遅くなって、極限まで疲れているときに最低限取り組むべき活動内容を吟味中だ。本を読むか、英語を勉強するか、はたまた寝るか。こういった風に自分の生活を良くしていくために少しずつ問題を解決していく方法はゲームにも似ていてうまくいかなくても、違う方法考えるかと前を向きやすい気がする。

②失敗で魔女狩りが始まる

 失敗に対する意識が変わっていったとしても実際に失敗すると特に集団内では犯人捜しが往々にして始まってしまう。失敗はできれば避けたいものだし、失敗に頭を支配されると人のせいにしてしまう。自分もその一人だ。もし、その場ではあの人がああいった行動を取った結果で失敗したんだという考えを起きてその考えに頭が支配されても、そのあと冷静に成長のチャンスだと捉えなおすためのエピソードが紹介されている。

 自分の職場でも魔女狩りのエピソードがたくさんある。職場内で何かミスが起きた際に誰が悪いかの悪口が始まり、職場内でミスは悪いものだという雰囲気が漂っていたし、ミスした際には自分で処理してなかったことにする動きも見られた。職員同士の関係も悪化していったように思える。

このような状態が続き、職場内の空気が悪くなっていたとき、他の職場の方と話す機会があった。他の職場の方からも今、自分が働いている職場の空気が悪いことが知られており、転職する際に嫌煙されてりうという話も聞かされた。

 職場内での魔女狩りは成長のチャンスを失うだけでなく第三者からの評価も下がって結局は自分たちの首をさらに絞めることに気づかされた瞬間であった。自分がもし上の立場になったときにミスに対する認識を変えていこうを決意した瞬間でもあった。

③成長マインドセット

 成長マインドセットという言葉を聞いたことがある人もいるかもしれない。自分は成長し続けることができるという考えかたで、逆に人は生まれ持った才能で人生が決まるという考え方が固定マインドセットである。成長マインドセットを持っていることによって失敗に対する反応が変わってくると紹介されている。

失敗をした際のやってしまったという脳の急な反応はどちらの考えをもっていたとしも変わらないが、その後の失敗に対する目の向け方が変わってくる。固定マインドセットを持つ人はその失敗から意識をそらして目をつむる傾向があったが、成長マインドセットを持つ人は失敗への好奇心があがり、正面から失敗に向き合う傾向があったという。

 人は成長できるという考えをもって行動するだけでも、失敗をチャンスに捉えなおすことができ、メンタルにも良さそうだと感じた。

 自分のこの本を読んでから失敗に対する意識が変わり、上司からの指摘に対して冷静に助言を聞き、自分の失敗に目を向けてひも解く時間が増えた気がする。

まとめ

 問題を解決するときは、まず対象となる問題を細かく分けて考える方法や失敗が起きた際には組織内で魔女狩りが発生しやすい。成長マインドセットをもつだけで、失敗に正面から向き合えることを解説してきた。著書の中では医療の世界や空港業界の具体例を取り上げながら小説のように失敗に対する人間の反応を解説してくれている。

 失敗してへこんだことがある人にはぜひ、手に取ってみてほしい。たぶん失敗してへこんだことある人は全人類の9.9割ぐらいいるはず。

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