人のまねって意外と人生に役立つかもしれないと思えたミステリー小説を紹介する。
高校時代の旧友にあった。自分と同じで読書が好きな友達だ。長期休暇などでお互い地元に帰る際に定期的にあっている。会うたびに一冊本を紹介してくれるし、とても刺激になる友達だ。その友達に紹介してもらった「マスカレードホテル 東野圭吾著」を読んでみた。
主人公の警察官が一流ホテルにホテルマンとして潜入し、連続殺人事件を食い止めるといった物語になっている。最後まで犯人がわからなかったし、物語を十分楽しめた。今回の小説で印象的だったのが、警察官がホテルマンとして潜入し、人間的にも成長し違う職業の経験から事件解決のヒントを得たりする点である。今回をここを自分なりに深堀りしていこうと思う。
自分の仕事に当てはめて考えてみる
自分は医療従事者だが、タスクシフトやタスクシェアの流れが来ている。医師の負担を減らす目的に取り入れられたものだが、働き的が減っていく今後も大事にすべき考えだと思う。自分の業務領域を拡大することで得られる視点もかなりあると思う。自分は医師ではないが、実際に医師が担当する業務内容の知識を学ぶだけでも相手が求める内容が具体的になって、自分の業務の質も上がったと思う。
自分の職種の中でも専門とする領域が分かれているが、他の領域のスペシャリストと会話をする場面では必ずといっていいほど学びがあるし、自分の領域にも繋がるものが毎回ある。
自分には関係ない領域だと思っていた事務系の方と会話をする機会があったが、医事会計のことなどで勉強になることもあったし、自分達が行っている業務がどのように組織の利益になっているかもイメージすることができだ。他の領域への扉を開いておくのはかなり重要だと思う。
他の職種の人になりきるという場面はかなり稀であると思うが、例えば自分の子供と接するとき良い倫理観をもった教師になりきって接してあげると感情に振り回されず、対応することができるかもしれない。自分も多職種の方とうまくコミュニケーションが取れずに心が乱される場面がある。ここで小説にでてくるようなホテルマンになり切って対応すると意外とスムーズにいくかもしれない。
実際に他の職種についてみるという大胆な行動はなかなか起こせないが、真似してみたり相手の業務内容を考えてみるだけもかなり自分に有益な情報や経験が得られると思う。
プライベートに当てはめる
プライベートで他の人になり切るという考えを活かせるか考えてみた。最初に思い浮かんだのはやはり、自分のなりたい人物像になりきってみるというものだ。自分の尊敬する人ならどうするかなと考えると自分の生活にプラスになる行動を起こせるのではないかと思う。
土日にダラダラしそうなとき、自分の目指す人物ならとりあえず散歩に出でリフレッシュするだろうなと考えて実際に散歩に出で気分転換できだ経験がある。また、本を読んでるとあの著者だったら、こういう風に諭してくれるだろうなと想像することができる。自分の行動を変えるのにはやはり他の人の考えを取り入れるのが良さそうだと思う。
プライベートでは心を許す人の前では甘えを見せてしまう瞬間があり、そこに恥ずかしさを覚えるときがあった。そういった自分もまた、普段の自分とは違う仮面を被った自分なんだと思うと自分の中にも色んな自分がいてよくて、環境によって演じ分けるのも一つの戦略だなと思う。他者を真似るだけではなく、自分の持っている気質も演じ分けるとよいのかもしれない。
スケールを広げて使ってみる
多職種や他者になり切ってみる考えを述べてきた。個人レベルの話をしてきたが、組織や国レベルにスケールを広げて考えてみたい。
組織レベルで考えてみても、他施設の運用法などを学んで真似てみるとかなり有用なことがある。自施設のやり方に囚われていると進化の妨げになる可能性が高い。身内でこもって外の世界を取り入れないと、自分達のやり方が正しいんだ。という進撃の巨人状態になりそうだ。身内だけでスクラムを組んでいると外の情報に目がいかない。外の情報を取り入れて真似をしてみるのも良い組織改革になりうる。
世界規模で考えてみると、他の国のいいとことを取り入れる良い機会になるかもしれない。日本人で海外に出稼ぎに行くという道はまだ、一般的ではないかもしれない。しかし、実際にはそういった人達は増えてきているし、他のアジアの国々ではもっとポピュラーだと思う。そういった海外への出稼ぎ文化を取りいれて真似していこうとすれば、日本人の閉鎖的な感覚が今後大きく改善されて未来も右肩上がりになるかもしれない。
まとめ
他者のまねをすることで自分にはない考えであったり、行動を起こせるかもしれない。他者を真似ると自分の思考が自ずと外に向くようになるので、自分の世界を開くよいきっかけになりそうな気がする。